
注文住宅を計画する中で、「飾り棚」や「ニッチ棚」をどうするかは、実は住まいの満足度を大きく左右するポイントです。ニッチ棚とは、壁の厚みを利用して埋め込む形でつくる棚のこと。単なる収納とは違い、空間そのものをデザインする要素として取り入れられるのが最大の魅力です。
注文住宅では、間取りや設備だけでなく「家全体の雰囲気づくり」を重視する方が非常に多く見られます。ナチュラル、モダン、ホテルライク、北欧風など、目指すテイストは人それぞれですが、ニッチ棚はその世界観をさりげなく、しかし確実に演出できる存在です。うまく使えば、派手な装飾をしなくても“センスの良さ”が伝わる空間になります。
目次
ニッチ棚が注文住宅で人気の理由
ニッチ棚が多くの注文住宅で採用される理由は、大きく分けて「デザイン性」と「実用性」の両立にあります。壁に後付けで棚を設けるのではなく、最初から設計に組み込むため、空間に無理がなく、スッキリとした印象に仕上がります。
また、床面積を使わずに収納やディスプレイスペースを確保できる点も見逃せません。限られた面積の中で暮らしやすさを追求する注文住宅において、壁を有効活用できるニッチ棚は非常に合理的な選択肢と言えるでしょう。
設置場所別に見るニッチ棚の活用アイデア
ニッチ棚は、設置する場所によって役割や使い方が大きく変わります。ここでは、注文住宅で特に採用されやすい場所ごとに、その活用方法を見ていきます。
玄関に設けるニッチ棚
玄関のニッチ棚は、実用性とデザイン性を最も両立しやすい場所です。鍵や印鑑、アルコールスプレーなど、外出・帰宅時に使う小物を置いておくことで、動線がスムーズになります。また、季節の小物やグリーン、アートを飾れば、来客時の第一印象をぐっと高めることもできます。
トイレのニッチ棚
トイレは限られたスペースだからこそ、ニッチ棚の効果が発揮されます。トイレットペーパーの予備や掃除用品、ディフューザーなどを置くことで、床に物を置かずに済み、清潔感のある空間を保ちやすくなります。見せる収納として考えることで、生活感を抑えたトイレ空間が完成します。
廊下・ホールのニッチ棚
廊下や階段ホールに設けるニッチ棚は、完全に“楽しむための棚”として使えるのが特徴です。お気に入りの雑貨や写真、小さなコレクションを飾ることで、移動するだけの空間が、家族の思い出や個性を感じられる場所に変わります。夜は間接照明を組み合わせることで、ホテルのような雰囲気を演出することも可能です。
ニッチ棚は「収納が増える」以上の価値がある
ニッチ棚を採用すると、「収納が増える」という分かりやすいメリットに目が行きがちです。しかし実際には、それ以上の価値があります。ニッチ棚は、住まいの中に“余白”をつくる存在です。その余白があることで、暮らしに遊びや変化が生まれ、住み始めてからも楽しみが続きます。
季節ごとに飾るものを変えたり、家族の成長に合わせてディスプレイを変えたりと、暮らしと一緒に育っていくのがニッチ棚の面白さです。
注文住宅でニッチ棚を設置する際の注意点
一方で、ニッチ棚はメリットばかりではありません。注文住宅で採用するからこそ、事前に知っておきたい注意点もあります。
特に気になるのが「壁の耐久性・構造面」です。ニッチ棚は壁を一部くり抜く形になるため、構造上重要な壁や耐力壁には設置できない場合があります。また、設置場所やサイズによっては、強度不足につながる可能性もゼロではありません。
ただし、注文住宅であれば設計段階から対策を講じることが可能です。ニッチ棚を設ける予定の壁だけ下地を補強したり、構造に影響のない位置に配置を調整したりすることで、安全性を確保しながら理想のデザインを実現できます。
ニッチ棚は「最初の設計」で決まる
ニッチ棚は後から簡単に追加できるものではありません。だからこそ、間取りを考える初期段階で「どこに、何のために設けるのか」を具体的にイメージしておくことが重要です。
なんとなく流行っているから、という理由だけで採用するのではなく、自分たちの暮らし方に合うかどうかを基準に考えることで、完成後の満足度は大きく変わります。注文住宅だからこそできる、細部までこだわった住まいづくり。その中でニッチ棚は、さりげなく個性を表現できる、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。